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スタッフ日記

2011年 6月 16日
「マンドリルとキイロヒヒ、仲良く暮らしています。」

一見普通に見えるのサルの親子。
でも実は、"普通"ではありません。

左側の子ザルは、マンドリルの「ジェナ」(オス・2歳)。
右側の大人のサルは、キイロヒヒのメス。
写真には写っていませんが、ジェナのおばあちゃんのマンドリル「ヤスコ」も同じオリの中で暮らしています。
つまり、違う種のサルが仲良く3頭で暮らしているんです!

マンドリルとキイロヒヒは、同じオナガザル科のサルではすが、自然界では起きない組み合わせです。しかし、動物園でのそれぞれのサルの事情を汲みながら、より良い環境で暮らしてもらうための試行錯誤の1つとして実施しているものです。

その事情とは…

まず、キイロヒヒとマンドリルのおばあちゃん・ヤスコを、同じオリ飼育する試みをしました。というのは、こういったサルたちは本来群れで生活しているのですが、動物園ではそれもままならないことが多く、寂しく1頭ずつ暮らすよりは、別の種とはいえ一緒に生活させてみよう!と考えたからでした。

試してみたところ、想像以上に仲良く暮らし始めました。お互いに毛づくろいしたり、若いキイロヒヒがおばあちゃんマンドリルをかばうような様子を見せたり。普通の家族のような暮らしが実現しました。
※現在キイロヒヒの国内での飼育は、当園のこの1頭のみです。

そんな中、先日、マンドリルのジェナのお母さん「クミ」が、亡くなりました。
クミが亡くなった時の記事はこちら

クミに抱かれる生まれたばかりのジェナ(2010年7月撮影)

さて、困りました。

ジェナは1歳は過ぎていますが、まだまだ子どもで、保護者が必要です。しかし、これまで母親に育てられていたのに人工飼育に切り替えるのは忍びないこと。そこで、おばあちゃんにあたるヤスコと暮らしてはどうかと考えました。

しかしヤスコはすでにキイロヒヒと暮らしています。ここでキイロヒヒをまた1頭に戻すのも忍びない。。うーむ、困った。。

ということで、ものは試しと、3頭一緒にしてみることにしました。

なんと…今回もうまくいきました!
ジェナが、キイロヒヒのしっぽをつかんでじゃれてみたり、寄り添ったり。

3頭の生活が始まったのです。

元々群れで生活しているサルですから、子どもも群れの中で育った方が健全なのではないかという思いもあります。

この同居は、当園でも初めての試みですから、今回うまくいったのが、それぞれのサルの性格によるものなのか、サルそのものが種を超えても群れをつくるような性質があるのか、その辺りは分かりません。

でも、3頭が仲良く暮らしているのは大事なこと。寄り添って暮らす姿は、ほほえましいです。
ちょっとイレギュラーな飼育ではありますが、仲良く暮らす3頭にぜひ会いに来てくださいね!


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