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スタッフ日記

2021年 11月 30日
「【キリン】ルイの部屋」

こんにちは!

動物園に来園している方はご存じかもしれませんが、現在キリンのルイとシウンは部屋を分けて収容・展示しています。
(お知らせが遅くなってしまい、申し訳ありません。)

(手前がルイで、奥に見えるのがリョウ)

日中は同居で展示していることもありますが、その日の天候や動物の状態、出勤しているスタッフにより様々です。

分離した理由としては、ルイが性成熟していることや、2歳1ヶ月過ぎても離乳する様子が見られないこと、ルイのキリンとしての精神的な成長を促すため等様々です。
また、今年の春にシウンが脚を痛めた際、ルイが同居でいることによってシウンが安静に過ごしづらかったのも理由の一つです。

分離は、コロナ禍による緊急事態宣言が出された8月の閉園から始めました。
現在ルイを収容している部屋は元々シウンのトレーニング時に使用している部屋であるため、ルイも普段からその部屋に出入りしていました。
分離当初は、シウンと離れるのが嫌なため、シウンの部屋の隣にあたるリョウの部屋に入ってみたり、収容に何十分も掛かったり、スタッフが担当かそうでないかで入るのを躊躇ったり、部屋に入っても扉が閉まる前に外に出たり…なかなかスムーズには進みませんでした。
また、収容ができるようになっても、シウンの近くに行きたいのかリョウの部屋側に入ろうと何度も何度も柵を乗り越えようとしていました(正直、柵が壊れるんじゃないかと思ってました)。
落ち着けないのか部屋のエサも残しがちで、好きな樹葉もほとんど食べてない日もありました。

また、リョウは隣にいるルイに対して、遊びたいのかそれとも静かにしていて欲しいのか本心はわかりませんが、一晩中ネッキングをしていました。
ルイはシウンと離されて、ネッキングをしてリョウと遊ぶ余裕はないのでかなり嫌がっていましたが、何回か室内分離を繰り返すうちに、徐々にネッキングの回数も減り、落ち着いていきました。

室内を分けて収容したり、また同じ部屋に収容したりを繰り返しながら、日中のシウンとの分離時間も増やし、10月の頭にはどのスタッフでもキリンたちを分けて収容できるようになりました。そこからは毎日部屋を分けて収容しています。
現在は室内でとても落ち着いて過ごすことができ、エサもモリモリ食べています。

(シウンと同居展示)

日中シウンと分離し、日中リョウと同居を今まで以上に頻繁に繰り返すようにしたのが大体今年の春くらいからですが(シウンが足を痛めたのをきっかけに)、11月になってやっと1日中落ちついて過ごせる日が増えました。日によってはリョウがルイを追いかけまわしてネッキングしてしまい、落ち着けないこともありますが、以前に比べると本当に減りました。
現在は、3頭同居で展示していることもあります。シウンはリョウの扱いがある程度わかっているため、3頭で落ち着いて過ごせる時間が増えました。

他園と比べても、リョウのように他のキリンを追い回してネッキングする個体はほぼ聞いたことがないですし、キリンたちが運動場を走りまわる姿もほぼ見たことはありません。
特に大人のキリンが転ぶとかなり危険なので、本来は走らせないようにするのが基本です。いくら担当が見ているからといって、リョウとルイが毎日走りまわっているのはかなり緊張しました。
どうしても同居が危険だと判断した時は分離させましたし、様子を見てしばらくすると落ち着くときはルイに我慢させました(走ったらリョウと分離させてくれると思われないようにするため)。

仲の悪かったシマウマのエレンとジャスミンですら、ほぼ毎日同居して、ケンカして、1カ月ほどでなんとか落ち着いて過ごせるようになりましたが、それよりもずっと長くかかってしまいました。


さて、現在は落ち着いて過ごせるようになったものの以前のように2頭でネッキングする姿は、シウンとの室内分離を始めた今年の夏以降見られなくなりました。
今後落ち着いていけば、また以前のような姿が見られるのかなと思っていますが、リョウとルイ次第です。

今後、大きくなっていくルイがどのようにリョウと関係を築いていくのか楽しみです(^^)/
ぐっと寒くなりましたが、暖かくしてキリンたちに会いに来てください!

↓夏にネッキングして遊んでいた時、この時くらいからこの姿を見ていません。


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