NPO法人 浜松市動物園協会 NPO法人 浜松市動物園協会
NPO法人 浜松市動物園協会
  • English
  • Português
  • 简体中文
  • 繁体中文

スタッフ日記

2022年 3月 16日
「【シマウマ】1年が過ぎました」

こんにちは!
暖かいを通り越して、暑いくらいですね。

さて、バタバタしていて更新できず、決して忘れていたわけではありませんよw
3月11日で、ジャスミンが浜松に来園して1年が経ちました!

(今日のジャスミン)


ということで、サラっとですが1年を振り返っていきたいと思います。


1年前、心配だった輸送中の事故もなく、寝室への入室もスムーズに済み、無事に来園したジャスミン。ただ、1つ心配だったのは、運んできてくれた輸送業者さんの『輸送箱に入ってから、エサをずっと食べていて、なかなかこんなにヤケ食いするシマウマいないよ!』という言葉でした。
当時、ジャスミンが妊娠していることは誰一人として知らず、もしかして…とこの時初めて妊娠への疑惑が生まれました。

(エレンとケンカするジャスミンを見るキリンのリョウ)

検疫期間を終え、エレンとの同居練習に進みましたが、これが大荒れでした。
お互いボロボロになるまで毎日取っ組み合いのケンカをし、生傷が絶えず、大きなケガにはならないもののずーっとケンカしていました。
それでも毎日練習し、なんとか展示できるくらいまでの仲になりました。

そこから、ダチョウとの同居も練習しはじめましたが、エレンとあんなに激しいケンカをしていたのに、ダチョウにはびっくりするほど弱気なジャスミンで、威嚇されては逃げ回っていました(これは現在もですが、当時に比べればまだマシになってきました)。

そして、落ち着いてきたのも束の間、今度は妊娠・出産!

(出産直前のジャスミン)

動物園によって与えている餌や環境が異なるため、園によって太っている個体が多いというのはあり得ますが、エレンは普通体型なのに、同じ餌を食べているジャスミンはみるみる丸くなっていきました。

妊娠しているかわからない=交尾日がわからない ということなのですが、基本的に動物の出産予定日は交尾から逆算して考えます。
ジャスミンはおそらく妊娠しているであろうと思ったもののいつ産むのかは全く見当がつかず、頼りにしたのは乳房の張りでした。
夏になり、間隔を開けながら乳房の写真を記録していくと、7月初旬ごろから乳が張りはじめ、そこから産室の準備をし、月末に出産に至りました。

当園でシマウマの出産は約10年ぶりのことでした。

(生まれた日のジャスミンとウィンビ)

出産・子育ては順調に進みましたが、それまでなんとか良い関係を築いていたエレンとの仲が出産を機に悪化し、同居できない期間もありました。
それでも、ウィンビが成長するとともに徐々に3頭の仲も改善していきました。

ジャスミン自身は来園当初に比べると、エレンを見ているのもあるのか人に慣れたなと感じます。
また、出産を経たのもあるのか、後肢の蹄も自然に削れて短くなりました。
蹄自体もかなり変形していたので、重くなる身体にはかなり負担がかかっていたのだなと思いました。


現在、エレンとジャスミンの仲は良いとは言えませんが、お互いに姿が見えないのは不安らしく、ケンカはするけど居ないのは困る!といった感じです(笑)
2頭ともウィンビとはグルーミングし合うものの、エレンとジャスミン同士でグルーミングはしません。
未だにケンカしますし、ウィンビが間に挟まれている時もあります。
でも、エレンがそれまで共に過ごしていたマキが亡くなり、1頭で過ごしていた約3年間のことを思うと、現在まさかの出産により3頭になりましたが、3頭で過ごしているときのエレンのほうが生き生きしているように思えます(一人で居たいときもあるのかもしれませんが)。

ジャスミンも出産・子育てをきちんとこなし、私たち飼育員もたくさんのことを学ばせてもらいました。

ジャスミン来園してくれてありがとう!
これからも元気に、あわよくばもう少しエレンと仲良く過ごせるようになりますように。



(ウィンビとジャスミン)


浜松市動物園サポーター募集

NPO法人 浜松市動物園協会