スタッフ日記
「未練がましい?いや、本能です。【キリン】と枝とちょっとした工夫の話」
日中、キリンたちに枝葉を与えた後のこと
ほとんど食べ終わっているはずなのに、キリンたちがまた戻ってきて、食べ残した枝をじーっと見つめたり、わずかに残った樹皮をペロペロと舐めていたりする場面をよく目にします
「あんなに少ししか残ってないのに、まだ気になるのか…?」
そんな姿に、ちょっと“未練がましい”ような可愛らしさを感じつつも、「この行動、もっと伸ばしてあげられないかな?」と考えるようになりました
そこでやってみたのが、 “樹皮のついた枝の食べ残し部分を束ねて柵に固定する” というシンプルな試みです
さらに固定の仕方も柵に直接縛るか、何本か束ねて縛るかなども、色々試し、どうなるか?と観察しました
すると、これが想像以上に良い反応!
最初は「ん?」という顔をしていたキリンたちも、しばらくすると近づいてきて、舌で枝をペロペロ…
次第に、舌を巻き付けたり、器用に動かして樹皮をこすり取ったりする動きが見られるようになりました
特にリョウとシウンは夢中になっていて日に複数回、樹皮をなめとる姿を確認できました

この“樹皮を舐めとる”という行動、実は野生のキリンが枝葉を食べるときにもよく見られる動きです
ただ葉っぱを食べるだけでなく、枝や幹の皮を舌で剥がして食べることもあり、それが採食時間の大きな部分を占めていることもあります
つまり今回の工夫は、キリンにとって「自然な食べ方」を促すことができたという意味でも、なかなか良い手応えがありました
しかも、特別な道具や新しい素材を用意しなくても、普段出る“食べ残し”を再利用するだけで実現できたのもポイントです
さらに、この行動はお客さんから見ても分かりやすく、「あれ、何してるんだろう?」と足を止めてもらうきっかけにもなればなと思います
日々のちょっとした気づきから生まれる行動の変化
キリンたちの自然な姿を引き出せるよう、これからも目をこらしていきたいです
